斬鉄剣
http://www007.upp.so-net.ne.jp/zantetu/zantetu.htm

世の中にはいわゆる言ってもムダっていうコトがある。何をもってそう判断するかというのは多種多様なのだが、例えば聞く耳のないヤツにモノを言うのはムダだというコトだ。多分これが一番その辺に転がってる「言ってもムダ」だと思う。人は特定の相手を「こいつには言うだけムダだ」という判断を下すと、突然反応が淡白になり、無言になり、ほとんど無視したような状態になる。そう思われた方が気楽に感じる人間は、そもそも言うだけムダなヤツに任命されたことにすら気付かない場合が多い。なんとも幸せな脳だ。

そういう系統の人間には2通りいる。ひとつは「完全なるダメ人間」。それこそコイツから得るモノなど何もないと断言してしまえそうな人間。ぶっちゃけそんなヤツは誰も何もせずとも自然に淘汰されて朽ち果てていくので心の底からどうでもいいです。もうひとつはいわゆる「何事にも”自分”というフィルターを通してからでないと接することができない人間」。これは結構たくさんいるのよね。例えば自分より優れた人間に何かを教えられたり指示されたりしても、自分を間に必ず挟んでしまう、要は「自分式」を必ずどこかに混ぜ込んでしまう。己を無に決してできない人間。それがいわゆる言ってもムダなヤツ。

「お前の考えることは間違っている」

これはオレがちょうど社会人2年目のときにある仕事の修行中に当時の上司に習い始めにいきなり言われた言葉。

「いいか、本に書いてあることを間違い無く忠実にやろうと努力しろ。自分で考えるな。お前が考えることは間違ってるんだから、どんなに疑問に思っても本の言う通りにやれ。お前が考えるべきことは本の通りにやるということだけだ。それ以外は考えるな。」

最初はトンデモねえ上司だと思いましたがね、今思えばそんな修行のやりはじめにわかってない人間が考えたって出てくるモノなんざロクなもんじゃないんですわな。当時はコノヤローと思ったことが今ならそのメチャクチャな指導の本意が少しはわかる。そしてその頃には自分で多少考えながらできるようになってくるものなのだ。

当然言ってもムダなヤツってのは人の言うコトを聞かない。だからいつまでたっても同じ場所にいる。変わらない。時間の止まった人間。

そんなヤツと近くにいても得るモノなんてなかろ? しかも本人は自分の時間が止まってるのに気がついてないんだからなおさら始末におえん。自分を間に挟めばどんなに厳しいモノでも痛くないように、そして気持ちいいことはどこまでも甘楽に解釈できてしまうんだから、そんなヤツが成長するわきゃないんだよ。痛みを放棄してるんだから。苦しみを放棄してるんだから。そんなヤツぁどこまでも自分に甘く止まった時間の中で幸せになるがいいさ後ろ向きに。そしてそれを否定する気もない、本人がいいならそれもまた1つの生き方なんだろうし、それも人生だろう。

オレはヤだけどな。 そんな人生「ぉヲ゛ぇ」って感じ。

誰か特定の人に向けての更新でつか?